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2006/03/04: "雛祭りには散らし寿司"

Neko0303 (70k image)

我が家の雛人形は娘たちと一緒に東京に居て、大井沢では桃の花も無く、山から折ってきた猫柳の枝が備前焼の壷に差してあるだけです。
せめて夕食には・・・と、ありあわせのもので散らし寿司を作ってみました。 標津から届いた塩鮭を焼き、館山から送ってもらった菜の花と水菜、自分で干した大井沢の椎茸・・・我が家のご馳走はいつもいただき物ばかりです。
ご馳走と言えば、東京で暮らしていた頃の奥行きの無い貧しい食生活を思い出します。 東京では<ご馳走>というものを見失っていたような気がします。 

DSC05425 (126k image)
ハマグリやイクラが無くてもご馳走です。

ずいぶん昔のことですが、母が初めて東京の姉の家を訪ねたとき、姉に「何でも好きなものをご馳走するから、食べたいものを言って。」と言われ、母は「カツ丼が食べたい。」と答えました。
姉は「鮨とか天ぷらとか中華料理とか、何かあるでしょうに・・・。」と笑いながらもカツ丼をご馳走していました。
私もカツ丼が好きです。 鮨も天ぷらも中華料理も鰻も刺身もステーキもローストビーフも好きです。 フレンチもイタリアンも好きです。 でも、東京で暮らしている頃には<ご馳走>と呼べるものが無くなっていました。 カツ丼はもちろん、鮨も天ぷらも、極端に言えばフレンチやイタリアンでさえも日常的な食事の一つに過ぎませんでした。 食べたいときに食べられないものなど何も無く、何の感動もメリハリも無く思いつくままに惰性で食べていたような気がします。
「今日は何を食べよう? 鮨って雰囲気でもないし、天ぷらは昨日も食ったし、肉は嫌だし・・・。」などと言いながら焼き魚と漬物で夕食を済ませたりしていました。

大井沢に来て5年目になります。 <ご馳走>がずいぶんと増えました。
友人たちや妻の実家などから時おり届く魚やその他の海産物がどれほど美味しいか、東京に居た頃とは比べ物になりません。 娘たちが送ってくれるチーズやパン、ソーセージなども<ご馳走>です。 先日、千葉から届いた露地栽培の春野菜も感涙ものでした。 東京で暮らしていた頃には無かった感動です。
ハンバーグステーキでさえも、妻と二人で「美味しいねえ。」と言い合いながら目を細めて食べたりします。
最近では「美味しい刺身を食べたいね。」が妻との合言葉になっています。 <美味しい刺身>を手に入れるには、多分鶴岡か酒田まで行けなければならないでしょう。 車で片道1時間も2時間もかかります。 だからこそ<ご馳走>なんでしょうね。 (東京では家から歩いて行けるところに明治屋も紀ノ国屋も、ナショナル麻布も日進もありました。)

大井沢での食生活が貧しくて粗末なものになっているとは全く思いません。 むしろ、精神的にも味覚的にも豊かで健全な食生活になっていると感じています。 まるでファッションか信仰でもあるかのように<スローライフ>や<スローフード>を唱えるのも変ですが、ジャンクフードと鮨とフレンチと焼き魚定食とラーメンとふぐ刺しが同列に置かれているような、そんな食生活もやはり変です。
食物だけの問題ではないんでしょうけど・・・。