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2006/12/13: "一太郎は生き残れる?"

Oisawa1213 (95k image)
雪の上に暖かな雨が降り、大井沢は霧の中です。
今朝の新聞に「生き残りかけ<一太郎>新版」との小さな記事。 物置の奥から出て来た遠い昔の新聞を呼んでいるような錯覚に陥ります。

「かつて人気を誇った純国産ワープロソフトも、パソコンとの合わせ販売で圧倒的シェアを握る」MS Wordに負けて絶滅寸前なんだそうです。
一太郎の敗因は、ハードとのバンドル販売でマイクロソフトに負けたからだと思っている人が多く、今朝の記事も同様の論旨なんだけど、何も分かっていないというか、単純というか、頭が悪いというか、馬鹿というか・・・。 もしも、ジャストシステムの皆さんまでもが今でもそんな風に思っているんだったら、これはもう救いようがありません。
昔、公正取引委員会の皆さんまでもが同様の図式を頭に描いていたらしく、独占禁止法容疑でマイクロソフト社員を呼び出しては事情聴取をしたりしていたことがあります。 私も何度か呼ばれて、公取の頭脳明晰にして洞察力に優れた担当官と実に楽しく面白おかしい話題で盛り上がったことを思い出します。
「ジャストの浮川さんとロータスの菊池社長はどんな関係なんですか?」なんてことまで私に聞くんです。
最近の事は知りませんが、当時、私は二人とも男性だとばかり思っていましたし、まさか特別な関係だとも思えなかったので「そんなこと、知らないよ。 直接二人から聞いたら?」などと答えたりしたものです。 あの調査官は二人の関係を「怪しい。」とにらんでいたんですかね。(あのやり取りは公取の調書に残ってるのかなあ。)

マイクロソフトがWindowsとの抱合せでWordをハードメーカーに押し付け、ハードメーカーは嫌々ながらWordをインストールしたパソコンを出荷した・・・と言うのは嘘です。
ハードメーカーに一太郎の組み込み販売を押し付けようとしたのはジャストシステムなんです。 ジャストシステムの某取締役がIBMから一太郎のバンドルを断られ、「だからIBM PCは売れねえんだっ! 後でほえ面かくなよ。」と啖呵を切った話は有名です。 今はもう違うんでしょうが、当時のジャストシステムはワープロソフトを含めてビジネスソフトの何たるかを全く理解していませんでした。 パソコンそのものも理解できていなかったような気もします。 それでも爆発的に売れたのは、ひとえに彼の<伝説の営業マン>の凄腕のなせる業だったんですね。

でも、パソコンが普及してくればハードメーカーだって売れないソフトは売りません。 ユーザーだって要らないソフトは買いません。 選んだのはユーザーです。 単にそれだけの話です。
そこんとこが分かっていないと、一太郎はバージョン2007で終わりでしょう。 いくら厚化粧をしようが、いくらアクセサリーをジャラつかせようが、ユーザーに必要の無いビジネスソフトなんて便所の造花よりも無意味です。
一太郎2007がどんな風に変身するのか、今の私には全く予想も付きませんが、従来の一太郎を引きずっての衣装換えに過ぎないんだったら、もうこれ以上の生き残りは無理ですね。 ユーザーインターフェースやGoogleとの連携云々なんて、どうでもいいと言えばどうでもいいことなんです。
一太郎が売れないのは「マイクロソフトが意地悪するからだいっ!」などとベソかいて涙ぐんでいても始まりません。
ま、そんな訳で一太郎2007なるソフトはコレクターズ・アイテムとしては何らかの意味が出そうな気もします。